なぜ節句人形は「母方から贈る」と言われてきたのか
── 家制度・距離感・家族の知恵から考える

「マナー」ではなく「理由」を知りたい人へ

「五月人形は母方の祖父母が贈るもの」
そう聞いたことはあっても、
なぜそう言われてきたのかまで説明できる人は、
実はあまり多くありません。

本来、こうした慣習は
「守るべきルール」として生まれたものではなく、
当時の家族のあり方や距離感の中で、
自然と形づくられてきた知恵でした。

「マナー」として答えを決めつけるためではなく、
今の家族に合った選び方を考えるための背景として、
読んでいただけたらと思います。

節句人形は「家の中」に置かれる贈り物だった

五月人形は、
その場限りで渡して終わる贈り物ではありません。

家の中に飾られる毎年目にする
家族の記憶として残るこうした特徴を持つ、
生活空間に深く入り込む贈り物です。

だからこそ、
「誰が選ぶのか」「誰の価値観が反映されるのか」は、
想像以上に大きな意味を持っていました。

日本の家制度が生んだ役割分担

子どもは父方の家に属するという考え方

子どもは父方の家に属し、その家の中で育ち、
暮らしていく存在と考えられていました。

父方の家は、日常の生活をともにする場であり、
家の行事やしつらえも、その延長線上にありました。

外側から見守る側としての母方の家

一方で、結婚した娘は、
生活の拠点を別の家に移すことになります。
実家とのつながりが断たれるわけではありませんが、
関わり方には自然と距離が生まれ、
「外から見守る立場」としての関係が形づくられていきます。

立場が生んだマナー

こうした家族構造の中で、
父方と母方には、それぞれ異なる関わり方がありました。

父方は、日々の暮らしの中で子どもと向き合う立場
母方は、節目や行事を通して想いを届ける立場

この違いは、上下や優劣を示すものではなく、
生活の距離や役割の違いから
自然に生まれたものだったと考えられます。

節句人形が母方から贈られることが多かったのも、
こうした役割の分かれ方の中で、
無理のない形として
受け止められてきた結果だったのかもしれません。

節句人形は「節目に関わるための存在」だった

節句人形は、
子供が健やかに成長してくれることを願う
という意味が主体ですが、同時に
節目のときにあらためて向き合う存在
として捉えられたとも言えます。

初節句という行事そのものが、
子どもの成長を祝い、
家族がその節目に集うための機会です。

節句人形は、その場を形づくる中心として、
自然に役割を担っていきました。

父方が日々の暮らしの中で子どもと接する立場だった一方で、
母方は、こうした節目を通して関わる立場にありました。

節句人形は、その節目に想いを届け、
家族としてのつながりを確かめるための
きっかけのような存在だったとも言えるでしょう。

贈る側も、受け取る側も、
その人形を前にして、
子どもの成長やこれからを思い描く。

節句人形は、
そうした時間を共有するための
静かな中心として受け取られてきました。

今の時代に合った、節句との関わり方

現代では、家族の暮らし方や距離感も大きく変わりました。

同居が前提ではなくなり、それぞれの家庭が、
それぞれのペースで子育てをする時代になっています。

そうした中で、節句人形との関わり方も、
少しずつ形を変えてきています。

たとえば、初節句や節目の年に、
五月人形とお子さまを一緒に写真に残し、
成長の記録として大切に
していく。

そんな関わり方も、
今の時代らしい楽しみ方のひとつです。

写真を通して成長を感じたり、
その様子を家族で共有したりすることは、
離れて暮らす祖父母にとっても、
お子さまの成長を身近に感じられるうれしい機会になります。

節句人形は、誰が用意するかを決めるためのものではなく、
子どもの成長を、家族みんなで喜ぶための存在。

形は変わっても、その本質は、
今も変わらず受け継がれているのかもしれません。

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