この作品は、どんな想いから生まれたのか
ーまどか 紅宿す華のようー
鈴甲子の雛人形づくりでは、制作に入る前に、ある一つの基準を大切にしています。
「この人形は、幸せを宿しているだろうか。」
見た目の華やかさを整えることよりも、
想いを託す存在として、
その気持ちが自然ににじみ出ていることが重要だと考えています。
この姿勢こそが、鈴甲子の雛人形づくりを支える考え方です。
どんな瞬間の幸せを描いたのか
同じ「幸せ」でも、その形は一つではありません。
それぞれのお雛様のお顔は、幸せをとらえた一瞬を描いています。
この「まどか」で表現したかったのは、
張りつめたひとときの中で、
ふと訪れる小さな安らぎです。
ハレの日の緊張感に包まれながらも、
親しい人と視線が重なり、気持ちが静かにほどけた瞬間に浮かぶ、やわらかな表情。
穏やかで、見る人の心にもそっと落ち着きをもたらす佇まいを大切にしています。

シルエットへのこだわり
幸せな状態を、かたちにするとしたら・・・
鈴甲子では、その答えを 円満 という考え方に見出しています。
衣装は直線的な構成を基本としながら、上から眺めると、
全体がやわらかな円を描くように設計。
丸い台座とも自然に調和する、安定感のある姿を大切にしています。
正面から見ると、裾に向かってなだらかに広がる山なりのラインが生まれ、
穏やかで、見る人にやさしさを感じさせる佇まいとなります。


纏う衣装の意味
衣装は、見た目を飾るためだけのものではありません。
そこに用いられる柄や色には、長い時間をかけて受け継がれてきた意味があります。
この衣装に用いているのは立涌文様(たてわくもんよう)と呼ばれる、
日本の伝統的な文様です。
その連なりは、水蒸気や雲が立ち上っていく様子を表し、二本の線が波打ちながら連なり、雲や気が立ち上っていく様子を表すことから、
「雲気」と「運気」を重ねた、運気上昇を願う縁起の良い柄として古くから用いられてきました。
本作では、その立涌文様を真紅に近い深みのある赤で表現しています。内側から力が満ち、静かに前へ進んでいく姿を、文様と色の重なりで表し、凛とした存在感と、揺るがない意志を感じさせる佇まいに仕上がっています。


細部に宿る美
人形の印象は、表情や衣装だけで決まるものではありません。
姿勢や佇まいを含めた全体のあり方から、
自然と感じ取られるものがあります。
鈴甲子が目指しているのは、飾られている存在ではなく、
その場にすっと溶け込むような佇まい。
その感覚を大切にするため、
指先の動きや肩の力の抜け方、衣装の着せ付けに至るまで、
細部一つひとつに配慮を重ねています。

動きのある手先
自然で動きのある手先を表現

肩のライン
力の入っていない、自然でなだらかなライン
作品はこちら
まどか 紅宿す華のよう
実物はショールームにてご覧いただくことができます。
千葉県鎌ヶ谷市にて、工房兼ショールームを構えております。
制作をしている職人が直接ご案内しており、
お顔や、衣装のデザイン、質感など、実際に間近でご覧いただくことができます。
また作品だけでなく、制作の様子も一緒にご覧いただくことも可能です。
遠方の方には、オンラインでも承っております。
足を運んでみていただけると幸いです。


ご相談について
お顔をいろんな角度で見てみたい
衣装をもっと近くで見せて欲しい
などのご要望や、セッティングへのご相談、ご不明点はLINEにて承っております。
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