鈴甲子雄山

響 山吹威 1/5スケール

商品番号: yk070332

¥161,700(税込)
漆黒の中に鈍く光る銀色の金具の兜飾り「響」

黒い艶消しの屏風と台には、桐箪笥-きりだんす-に使われる飾り金具を装飾として用いています。

五月人形の脇飾りとして定番の弓と太刀の代わりに、火縄銃と太刀を採用しました。

太刀のデザインは実在する名⼑「洛陽堀川住藤原国広」の太⼑拵(たちこしらえ)を、⼑の反りは少しオーバーに古⼑の反りの特徴を表現しており、戦国〜江⼾初期の⼑をオリジナルに再現しました。

火縄銃は真鍮の飾り金具で装飾された戦国期の火縄銃を参考にして製作しています。

順風丸をご利用いただきまして、ありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、こちらの商品の今年度の販売は終了いたしました。

お住まい近くの取扱販売店にまだ在庫がある場合もございますので、一度お問い合わせいただければ幸いです。

お問い合わせ
・平飾り:幅32×奥行32×高さ26(cm)
・台座セット:幅35×奥行35×高さ29(cm)

「響セット」誕生秘話

漆黒シリーズとの出会い

これまで我々は本物志向で作品を作り続けてきました。

実物を現地で視察しスケッチ、それを工房に持ち帰って、作りや形状、バランスに気を使い、五月人形に仕立てた作品たちには絶対の自信を持っていたのです。ただ、色に対する意識が薄く、伝統的な配色から脱することができない、プロの目からでないと違いのわかりづらい作品が多いという悩みがありました。

そんなある時、とある取引先さんが営業でお櫃を持ってきました。それは桐でできた光沢のない艶消しの黒いお櫃でした。これまで、小道具や脇飾りなど細かい部分のデザインに注目していなかったため、その新鮮さに驚き、漆黒という名の黒の艶消しをコンセプトにしたシリーズを立ち上げる企画が始まりました。

響はそんな漆黒シリーズの第二弾として登場した作品です。第一弾では、兜のみを雄山がデザインしており、プロの販売店さんたちの独自のセッティングにお任せする形をとっていましたが、漆黒のシックな世界観は我々の中で余韻のように響いており、第二弾となる響ではそんな漆黒のテーマを基に、 背景から脇飾り、台、そして梱包に至るまで全てコーディネートしてみたいと挑戦した作品です。

※漆黒の第一弾は 「 伊達」 「「 織田 」 「 真田 」 「 徳川 」とございます。ぜひ一緒にチェックしてみてください。

独特な形状の兜鉢

兜は、阿古陀形 -あこだなり- と言って通常の半円の鉢と比べて、頭頂部が少し凹んだ形になっているのが特徴です。頭頂部を凹ませることによって防御力が増したことや、兜を被った際の安定感などからこうした形が採用されたようです。
阿古陀の凹みのあるラインは、古代の甲冑師によっても様々で、より美しい曲線を求めるコレクターがいるほど魅力のあるものとなっています。響は、この阿古陀を少しデフォルメした形にすることで、コンパクトな兜に仕上げました。黒の艶消しの中に、銀ブロの金具が鈍く光り、全体のアクセントになっています。

独特な形状の兜鉢

マットブラックに飾り金具の光る台と屏風

屏風と台は、マットブラックで塗装を施しており、兜本体を邪魔しないようにしています。ただ、マットブラックの無地でセッティングをするとなると、背景を区切る目的の屏風はぼやけてしまいます。そのため、桐箪笥 -きりだんす- で使われる、飾り金具を四方に置くことで、額縁のように空間を区切ることにしました。

また通常、兜を載せる台の部分は、真っ直ぐ置くことが多いです。今回の響では、菱形のように角が正面にくるように置くことで、遠近感を演出し、より立体感のあるセッティングに仕立てました。

マットブラックに飾り金具の光る台と屏風

ミニチュアながら実物志向の脇飾り-わきかざり-

せっかく独特なセッティングが完成したのに、通常の弓太刀を並べたのでは面白くありません。我々は実物の模写にこだわってきた甲冑師ですので、弓太刀もなるべく本物に近いものを製作しようと考えました。

太刀は実在する名⼑「洛陽堀川住藤原国広」を参考に拵 -こしらえ- (刀の外装のこと)を製作し、⼑の反りを雄山の好きな桃山期の古⼑のものに変えることで、オリジナルのデザインで製作しています。堀川国広というと「新⼑」(我々が想像しやすいお侍さんの⼑の形)の元祖と⾔われる名⼈で、桃⼭~江戸初期を代表する⼑⼯です。本⼈銘の作品はあまり残っていないようで、モデルにした⼀振りは残っている⼀つです。

弓の代わりには火縄銃を用いています。太刀には桃山期をイメージした作品を用いています。この時代は遠距離における戦い方は、弓から火縄銃に変わっていく変遷期でした。そのため時代考証に合わせ、長身の火縄銃をオリジナルに製作しました。

ミニチュアながら実物志向の脇飾り-わきかざり- ミニチュアながら実物志向の脇飾り-わきかざり-

漆黒のパッケージ

「粋」という言葉に馴染みはないでしょうか。
そもそも初代甲子八以降、雄山は4代目に至るまで、江戸の下町である吾妻橋にて甲冑の製作を行ってきました。現在は工房拠点を千葉県の鎌ヶ谷市に構えているため、吾妻橋からは離れて久しいですが、江戸っ子職人のDNAは脈々と受け継がれています。
そうした江戸っ子の特徴として「粋 -いき- 」があります。生き様とも引っ掛けて、江戸っ子の精神的な支柱にもなっていたようです。

そもそも「粋 -いき- 」は、江戸幕府による度重なる贅沢禁止令への反抗から始まりました。衣装・食事・プレゼントとあらゆるものが制限されていきます。そんな窮屈な中でも、めげずに、最大限の知恵を絞り、センスを磨き続けたことで、練り上げられた精神なのです。

そんな江戸っ子の粋を作品に取り入れようと、色の配色を中と外で分けることにしました。 外装は作品と同じく黒のマット調の外装、中はオレンジを用いています。外は一見普通の黒い箱ですが、中を開けるとぐっと中身に引き寄せられるような、そんな演出を目指してデザインしています。またこちらの箱に屏風や弓太刀と全てが収納されているので、出し入れも簡単になっています。

響を飾ることで、お子様の五月人形が華やかで素敵なものになることを願っています。

響の梱包ケース

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