天賦の兜の各パーツの特徴や素材をご紹介(白木編)

各部位のご紹介

天賦の兜の中でも白木のお櫃に飾った、柔らかなシリーズの各パーツについて、細かくご紹介していきます。

兜鉢(かぶとばち)

 

鉢には合わせ鉢という技法を用いており、天賦の兜の白木シリーズでは、鉢の筋に覆輪(ふくりん)という金の帯を巻いています。
※黒消しのシリーズ(群青、大和)では、覆輪は巻いていません。

合わせ鉢は、正式名称を「剥(は)ぎ合わせ鉢」といい、複数の鉄板を剥ぎ(はぎ)と呼ばれるパーツに分けて作り、それらをつなぎ合わせることで一つの兜の形を作る技法のことです。

兜は、頭部を保護するために丈夫な構造が求められますが、一枚の鉄板を成形することは難しく、重くなりすぎるという問題があります。そこで、昔の職人たちは鉄板を複数の小さなパーツに分け、それを一つに組み合わせることで軽量かつ丈夫な兜を作り上げました。

天賦の兜では、鉄板に、アルミを加工した鋲(星といいます)を打つこと、古来の技法を再現しています。

素材  鉄、アルミ

鍬形(くわがた)

鍬形(くわがた)とは、兜(かぶと)に付けられる装飾の一部のことです。

兜の前面に取り付けられる二本の角のような形状をした部分を指します。

兜全体のデザインの中でも非常に目立つ部分で、元は装飾としての意味合いが強かったのですが、徐々に武士の身分や個性を象徴する重要な飾りとなっていきます。

天賦の兜についている鍬形は、大鍬形という種類で、その名の通り、大きく存在感のある形となっています。

鳥毛の模様を表面に打つことで、存在感を際立たせる演出をしています。

素材   真鍮に24K鍍金

 

錣(しころ)

 

錣(しころ)とは、兜(かぶと)の後ろや側面に付いている部分で、首や肩を保護するための重要なパーツです。兜の頭部だけでなく、首元から肩のあたりまでをカバーすることで、敵の攻撃や矢から武将の体を守る役割を果たしていました。 

穴の空いた金属の板に、糸を通す威という技法を使っており、糸の色や模様によって兜の印象が作られていきます。

天賦の兜はインテリアへの調和を意識しており、白木の商品では柔らかな色合いを、黒消しの商品ではシックな印象になるようデザインを意識しています。

素材  アルミ、正絹糸

 

吹き返し(ふきかえし)

 

吹き返し(ふきかえし)は、兜(かぶと)の前部や側面に取り付けられた、外側に折り返したような形をした部分です。

この部分は、兜のデザインの中でも特に目立つ箇所で、装飾的な役割と防御的な役割の両方を持っています。 

天賦の兜の白木シリーズでは、最高級裂地(きれじ)の龍村織物を用いて重厚感を演出しています。

金具には、正倉院文様という模様を立体で表現した金具を製作しました。

素材 裂地、錫金具

 

忍緒(しのびのお) 

 

忍緒(しのびのお)とは、兜(かぶと)に付いている紐の一種で、兜を頭にしっかりと固定するためのものです。

天賦の兜では左右対称で、バランスの良い美しい結び目である「総角(あげまき)」という結び方を採用しています。神社仏閣や大相撲の土俵でも用いられる結び方で、神聖な場で用いられることが多いです。

 

素材 人絹

付属品について

作家札

 

鈴甲子雄山の作品である証となる、作家札です。

素材 天然木

袱紗(ふくさ)

 

布地を表裏二枚合わせ、または一枚物で、ふろしきより小さい方形に作ったものを袱紗(ふくさ)と言います。

進物に掛けたり、茶道で茶碗を受けたりするためにも使われており、礼儀を尽くす際に用いられています。

天賦の兜の袱紗は作品によって色を分けています。

素材 人絹

お櫃(おひつ)

 

天賦の兜には、収納のためのお櫃が標準でついております。

お櫃は、兜やその他の飾り物を安全に収納するための箱です。使用しないときは、しっかりと収納することで、埃や汚れから守ることができます。これにより、飾り物の劣化を防ぎ、長持ちさせることができます。 

また、防湿の観点からもお櫃は足で箱を持ち上げている構造のため、湿気を下に逃す構造になっています。

金属や絹糸は多湿の環境における劣化が早いので、お櫃で収納することをおすすめしております。

白木シリーズでは白木のお櫃を、黒消しシリーズでは黒の艶消しのお櫃をご用意しています。

素材 天然木

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