YAYA 金ちゃん ができるまで
「YAYA 金ちゃん」の製作の物語
頼もしく成長していく子供の姿を作品に
子供が初めて立った時、言葉を発した時、スプーンを持って自分でご飯を食べるようになった時、子供の成長を実感すると同時に頼もしさを感じます。その嬉しさは少しずつ自立していく子供を見守る家族だけの特権です。
そしてそれは家族の中で共有することで、家族みんなで子どもを育む場が生まれてきます。そうした幸せの循環のきっかけになれる人形を作ろう。
こんな想いから生み出された作品「YAYA 金ちゃん」は、初めて自分の意志を示した頼もしい場面を切り取った子どもの成長の場面を表現した人形飾りです。
作品のこだわりや細部の技術のご紹介
くりくりの特徴的なおめめ
特徴的な目は、従来の大将人形と異なり、目がくりくりして大きいこと。
ハイハイを卒業したばかりの幼い子どもの表情をモデルに、目と顔のサイズやバランスに気を配りました。目が小さいと不自然で、大きすぎると人間味がなくなってしまうためです。
また、子供は伝えたいことがある時、真っ直ぐに相手の目をみて話します。そのため、大人と目線を合わせようとすると必ず上目遣いになるのです。今回は棚に飾った際に、親御さんと目線が合うような目線遣いを心がけました。
自立したバランスの取れた体
自立した子どもを表現するのに自立できない人形では辻褄が合いませんので、原型を作る際に、自然なポーズを取れることを一番に考えています。
人形は人間の身体の構造に合わせて製作すると、バランスが取れて自立することができます。どの部位の筋肉が盛り上がるのか、左右でどの骨がどれくらい出るのかを考えながらポーズを形作って行きます。
頭身のバランスも2頭身、2.5頭身とさまざまなバランスを試しましたが、最終的に3頭身の製品の比率に落ち着きました。
着ている甲冑も本格的に
兜は、阿古陀形 -あこだなり- と言って通常の半円の鉢と比べて、頭頂部が少し凹んだ形になっているのが特徴です。頭頂部を凹ませることによって防御力が増したことや、兜を被ったときの安定感からこうした形が採用されました。そんな阿古陀形の兜をYAYAの幼い印象に馴染ませるため、少しデフォルメしたデザインに改良しました。
甲冑を彩る、糸の配色は「焦げ茶色々威」。焦げ茶を基調に山吹を差した配色になっています。図柄には、「菊籬-きくまがき-」を採用しています。これは、鶴岡八幡宮に所蔵の硯 -すずり- の絵柄をベースに雄山がデザインしたオリジナルの絵柄で、菊の花の可愛らしさが人形の世界観を引き立たせます。
物語の始まりを表現するような梱包
パッケージも作品に負けないように、 YAYAの世界観が伝わるデザインを作ろうと企画をしました。小説のワンシーンを切り取ったかのような躍動感のあるポーズの人形に合うよう、パッケージは本をテーマにしてデザインすることに決めました。
また、昔を思い出す「懐かし色」の褪せた茶色のカバーに、「丸ク円満ナル人生ヲ願フ」というメッセージを込め、「円満甲冑」とタイ トルをつけました。
by パッケージ担当